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褒められるのが苦手なのは、なぜ?

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「認められたい」のに、「受け取れない」自分がいる


誰かに認められたい。
そう願っているはずなのに、いざ褒められても、素直に受け取れない自分がいる。

「ありがとう」って言えばいいだけのはずなのに、胸の奥でザラっとした違和感が残る。
なぜだろう?と思いながらも、その答えはすぐには見つからない。

お世辞や上辺の言葉がすぐにわかってしまう


私はお世辞とか、建前の会話がとても苦手だ。
人の言葉の裏にある温度や違和感に、なぜか敏感に気づいてしまう。

「ああ、この人、お世辞で言ってるな」と思ってしまったら、
どんなにポジティブな言葉も、まるで意味を持たなくなる。

そんなとき、口だけで「ありがとう」と返すのも、どこか嘘をついているような気がして、言葉を飲み込んでしまう自分がいる。

「相談できない」のは、わかってほしい気持ちが強いから


私は昔から、相談するのが苦手だった。
なぜなら、自分の感性や思いを100%理解してもらえることなんて、ありえないとどこかでわかっていたからだ。

悩みを言葉にするのも難しい。
細部まで説明できないモヤモヤを抱えていると、どんなに親身なアドバイスも、「なんか違う」で終わってしまう。

相手が悪いわけじゃない。
でも、そんな不一致を繰り返すうちに、私は自然と「もう相談しない」ことを選ぶようになっていた。

他人の言葉が響かない理由は、自分をよく知っているから


私は、自分の内側をよく観察する。
どんな感情が起きたのか、なぜ苦しくなったのか、どうして納得できないのか。
無意識のうちに自分を見つめ、整理してきた。

だからこそ、誰かの言葉が自分の価値観や実感とズレていると、すぐに気づいてしまう。
表面的な褒め言葉には、心が動かない。
それは、自分をよく知っているからこそ起きる“違和感”なのだと思う。

でも、そこには小さな落とし穴がある


私は、ふと気づいた。
自分の違和感ばかりを信じていたら、本当に大切なことまで受け取れなくなるかもしれない、と。

たとえば、今の自分が当たり前にできていること。
それは、かつての私が悩みながら、もがきながら、必死で乗り越えてきた結果かもしれない。

「すごいね」「頑張ってるね」
その言葉が自分に響かないとしたら、
もしかしたら、私は“行動”だけを見ていて、「頑張っている自分」の存在に気づけていないのかもしれない。

自分を認めることが、受け取る力につながっていく


人に認めてもらう前に、自分で自分をちゃんと見て、感じて、認めること。
それができたとき、褒められることも、誰かに感謝されることも、少しずつ受け取れるようになるのかもしれない。

褒め言葉がすっと入ってこないときは、こう問いかけてみてほしい。

「私は、自分がどれだけ頑張ってきたかに気づけているだろうか?」

そうやって自分の歩みを、ゆっくり丁寧に拾い上げることが、
誰かの言葉を受け取る準備になるのだと思う。

さいごに


「認められたいけど、素直に喜べない」
そんな矛盾を抱えながら生きている人は、きっと少なくない。

でも、その感覚は、あなたが繊細で、自分の感性を大切にしてきた証でもある。
それは、決して間違いではないし、むしろあなたの強さのひとつ。

だからこそ、まずは——
他人に言われるより先に、自分で「よくやってるよね」って、そっと声をかけてあげてほしい。

あなたがあなたを認められたとき。
はじめて、世界からの“認められる”も、まっすぐ届くようになるから。