「孤独」は、“一人”だから感じるものじゃなかった
家族がいる。友人もいる。恋人もいる。
誰かに支えられていることも、理解している。
けれど、夜になると理由のわからない涙が出てくる。
みんなといるはずなのに、心はぽつんと一人きり。
そんな夜を、私は何度も過ごしてきた。
行ったり来たりの居場所。どこにいても、自分の場所じゃない感覚
私は、人の輪に入るのがわりと得意なほうだったと思う。
どのグループにも馴染もうとすれば馴染める。けれど、そこに“居心地のよさ”はなかった。
ひとつの場所に留まると息苦しくなり、他へ行ってみる。
でも結局、どこにも完全に馴染めず、最後にはまた「自分だけが浮いている」と感じてしまう。
多くの人に囲まれているはずなのに、
“誰の中にも自分の居場所がない”という孤独感が、いつも心に影のようにまとわりついていた。
外の世界に幸せを探し続けた日々
あまりにも心が寂しいとき、私は「楽しみ」でその感情を誤魔化そうとした。
食べること、買い物、誰かとの会話……何かで満たそうとすれば、少しは楽になれる気がしていた。
けれどそれは、一時的に心の穴を塞ぐ「ふた」にすぎなかった。
気がつけば、欲を満たすことが目的になっていて、時間もお金もどこかルーズになっていった。
「自分の外に幸せを求めても、本物の幸せは手に入らないよ」
ある日、友人がふとつぶやいたこの一言が、私の人生を変えた。
「自分の外に幸せを求めても、本物の幸せは手に入らないよ」
その瞬間、何かが胸の奥で砕けたような感覚があった。
心臓をストレートに突かれたような衝撃。呼吸すら止まった気がした。
私はずっと、自分の外に「満たしてくれる何か」を探していた。
でも本当は、自分の内側が空っぽだった。
――私が感じていた“寂しさの正体”は、「自分を知らないこと」だったのだ。
「孤独」は、自分の心の内側に生まれるもの
私が学んだのは、孤独とは「誰かがいないから」ではなく、
「自分とのつながりが切れている時」に感じるということ。
たくさんの人に囲まれても、そこに“自分”がいなければ、孤独は消えない。
逆に、たとえ一人で過ごしていても、自分とつながっていれば寂しさは和らぐ。
私にとって大切だったのは、
外の世界に自分の存在意義や幸せを託すことではなく、
「私はどうしたいの?」「私は何を感じているの?」と、自分に問いかけることだった。
自分を守れるのは、結局は自分だけ
誰かに愛されても、誰かがそばにいてくれても、
自分の内側が「私はここにいる」と言えなければ、心の安らぎは訪れない。
孤独の底にいた私がようやく光を感じられたのは、
「自分にとっての安心って何だろう?」と、自分との関係を見直すようになってからだった。
もし、あなたが今、心にぽっかり穴を感じているなら
もしあなたが今、「誰かがいても寂しい」「居場所がない」と感じているなら、
それはあなたに何かが欠けているのではなく、“自分との距離”が離れているだけかもしれません。
まずは、自分にこう声をかけてみてください。
「今日はどんな気持ちだった?疲れてない?」
「本当は、何がしたかった?」
外側の幸せを探す前に、
自分の声を聞いてあげることから、心の孤独は少しずつ癒されていきます。